今治市  能島の天然マダイは激流にもまれておいしくなる!
NHK 2024.5.16
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/lreport/article/002/60/

春、産卵期を迎える「天然マダイ」は栄養を蓄えていておいしいとのこと。
激流で育つ天然マダイ、取材してきました。

(NHK松山放送局 國武唯奈)



激流で育った天然マダイ

訪ねたのは、今治市大島にある宮窪町。
漁師の關洋二(せき・ようじ)さん、この道35年のベテランです。

かつて、宮窪町には村上海賊が拠点としていた能島があり、元々潮の流れが速い場所。

潮の早さが10ノット・時速18kmの潮流で育ったマダイをブランド化して売り出しています。この天然マダイ、水揚げするまでには多くの苦労があるんです。


天然マダイを取るための工夫とは

漁と聞くと早朝のイメージがありますが、關さんの作業は「夜」から。
取材をした日は午後6時過ぎに出港し、午後11時前まで作業を行っていました。暗くなると浅いところに、タイが寄ってくる習性があるからなんだそうです。

關さんは激しい潮流を避けながら、15分ほどかけて浅瀬のポイントを探します。到着後、長さ300mの網を入れていきます。
熟練の漁師でも網を入れる場所の見極めが大変なんだそうです。
そのため、過去に網を入れたGPSの履歴をふまえながら潮目を確認し、船を操縦しているんです。

獲れたての天然マダイとご対面!持っているだけでかなり肉厚、重みを感じました。

「激流で育っとるタイやけんね。肉質もぷりぷりとして食感もええし、日本一おいしいタイだと思っています」


鮮度を保つ理由は“神経抜き”

關さんが水揚げしたマダイは漁協が運営するレストランへ。その時に鮮度のいい状態で届けるためにある工夫が・・・!?

それは【神経抜き】を行うことなんです。

こめかみに穴をあけてタイをしめた後、尾びれの付け根に切れ込みを入れて背骨に沿って高圧で水を入れると・・・白っぽい神経が!

料理人森さん
「水が抜けたら、神経が抜けた証拠です。腐敗が始まるのを遅らせるためにやっています」

魚の身が固くなるのは、脳からの神経が“死んだ“という情報を魚の身全体に伝えるからです。
そこで神経を抜くことで、“死んだ”という情報が伝わらなくなり、その結果、鮮度を長く保つことが可能になるんです。


第3の鯛めし「宮窪鯛めし」とは

鯛めしと言えば
▽お米と一緒に炊き込んだ鯛めし
▽切り身をご飯に乗せた鯛めし
の2種類が思いつくと思いますが、宮窪の鯛めしは漁師飯をアレンジしたもの。
現在、第3の鯛めしとして去年から売り出しています。

皮が付いたままの身を湯引きして切り分けた身をどんぶりに乗せてバーナーで皮目をあぶり、ネギや卵黄をご飯の上に乗せて完成!
香ばしさが増して皮と身の間の脂が甘くておいしかったです。


感想

夜の漁は時間が進むにつれどんどん寒くなっていきます。そのため、長時間にわたって行うマダイの漁に頭が下がる思いでした。特に、暗闇の中での網を入れるタイミングや時間、場所など、臨機応変に対応しつつ見極めながら漁をしているのが印象的でした。おいしい天然マダイを一人でも多くの人に届けたい、という關さんの強い思いを感じました。レストランでは初めて第3の鯛めしをいただきましたが、今までの鯛めしとは違う食感や味でとてもおいしかったので、また食べに行きたいと思います。

特集の内容は、下記の動画でご覧いただけます。



國武唯奈

國武唯奈

福岡県出身。2022年4月から平日午前11時45分~放送の「ひるどき四国」のキャスターを担当。趣味は旅行(国内外問わず)・せっけん作り。好きな動物は「ブタ」。